日本測地系2000座標変換アルゴリズムの拡張
 
6.編み出した解決策
 

結局、既存の座標変換プログラムの機能では如何ともしがたいと言う結果に達してしまったので、新規に座標変換プログラムを開発することを決断せざるを得ませんでした。このプログラムでは、以下の条件を満たすアルゴリズムを実装する必要があります。

@ 精密変換モードが利用可能な場合は、精密変換モードで座標変換を行なう。
A 精密変換モードが利用不可能であっても、その近くの点が精密変換モードで座標変換可能ならば、その近くの点のパラメータを利用して、推定内挿を行なう。
B 近くに、精密変換モードで座標変換可能な点が存在しない場合は、近似変換モードで計算する。
C 両モードの計算値の間で段差が目立たないように、上記のAとBのいずれの計算結果を利用するかについては、当該点と精密変換モードで座標変換可能な点との間の近接性に従って連続的に、利用割合を変化させる。
D 座標変換は、現在の精密変換モードと同等の速度で行なわれる。

上記のアルゴリズムにはファジーな面も含まれています。例えば、ABで言う所の「近く」とは、どう定義出来るのか?Aの推定内挿とはどう行なうのか、Cの連続的な利用割合の変化はどう実現するのか、などの点です。これらの課題を解決しつつ、Dを満足する手法を開発致しました。それなりに工夫しております。

 

 

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