1:25,000地形図と2次メッシュの整合性の確立
 
3.図面範囲の独自性
 

本節では、1:25,000地形図の図面範囲が概ね(大体の場合は)、1個の2次メッシュに該当することを基本前提として、この基本前提にあてはまらない図面が実は多い問題について、説明します。

1:25,000地形図の図面範囲が1個の2次メッシュの範囲に一致しないケースは、以下の3つに分かれます。
@ 延伸
A 分図
B 上記以外のズレ

延伸とは、図 5に示すように、1枚の地形図が、本来対応する1個の2次メッシュ範囲から飛び出して、隣接2次メッシュの範囲までカバーしてしまう事象を意味します。これは予想するに、大部分が海で陸地の領域が狭い図面については、隣接図と統合した方が利用者にとっても地形図の発行者にとっても好都合であると言う理由より、編み出された工夫だと思われます。この延伸は、弊社の調査では、全国でおよそ約370箇所存在します。

 

図 5 延伸とは
 
分図とは、図 6に示すように、1枚の地形図内に、本来ならばはるかに離れた陸地の地図が盛り込まれている、或いは感覚的な言い方をすると、はるか離れた場所の地図がお引っ越しして来た事象を意味します。これは予想するに、大部分が海で陸地の領域が狭い図面については、たとえ著しく離れていたとしても、別の図面と統合した方が利用者にとっても地形図の発行者にとっても好都合であると言う理由より、編み出された工夫だと思われます。この分図は、弊社の調査では、全国でおよそ約70箇所存在します。
 

図 6 分図とは
 
延伸、分図以外のずれとは、図 7に示すように、延伸でも分図でもなく、元から1枚の地形図の境界線が2次メッシュの境界線からずれている事象を意味します。これは予想するに、特に海上の離島部では、この様にずらした方が陸地を少ない枚数の地形図にコンパクトに収めることが可能であるため、利用者にとっても地形図の発行者にとっても好都合であると言う理由より、編み出された工夫だと思われます。この事象は、弊社の調査では、全国でおよそ約150箇所存在します。
 

図 7 延伸、分図以外のずれ
 
上記の3つの事象は、以下の2つの点で厄介です。

@ 正確な存在情報の入手:実は、この事象がどこで起きているのか、それが分かりませんでした。この存在情報さえ正確に分かれば、これ自体、それほど大きな問題にはならなかったのですが、意外にも正確な情報の入手が出来ませんでした。結局、自力で全国調査する羽目に陥ってしまいました。
A はり合わせの必要性:上記の3種類のズレの結果、一つの2次メッシュの画像を作成するために、周囲の複数(最大で4枚)の地形図をはり合わせなければいけないケースが全国で、かなり見られます。このはり合わせ処理のイメージを図 8に示します。最終的に、弊社は、自力で全国調査し、この様なはり合わせ処理がどこで必要になっているのかについても、リストを作成しました。その一部を図 9に掲載します。このはり合わせが必要な2次メッシュ数は、弊社の調査では、全国でおよそ約70個発生しています。

 

図 8 ファイルの合成の必要性
 

図 9 はり合わせリスト(一部抜粋)
 
 

 

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