平行線発生アルゴリズムの悩み
 
5.解の多様性

さて、それでは次に、発生させた平行線分のつなぎ方について更に考えてみましょう。この時、少し平行線の定義の拡張を行ないます。今までは何となく、元の基準線分毎に平行移動する幅は一定であると仮定して来ました。しかし実世界では、例えば道路幅員が変わると言うように、発生させるべき平行線の幅が可変になる問題が存在し得ます。そこで平行移動する幅を可変にすると、図 4に示す通り、複数の考え方が生まれます。
図 4より、平行線のつなぎ方に色々な考え方があることが分かります。一体、どれが正解なのでしょうね。さて、前項で円弧接続を導入しました。この円弧接続は、前後の線分列の双方を接線とする曲線を利用した手法であると解釈すると、図 4の方法1が正解である様な気もします。しかし、敢えて申し上げるに、たかが平行線の発生に一体ここまで凝る必要があるのでしょうか。手法2は一見綺麗な接続が可能で、かつアルゴリズムが単純と言うメリットを持つ方法ですが、図 2で導入した延長して交点を求める方法とは矛盾しますね。矛盾して良いのでしょうか。図 2の方法に一番近い手法は手法3でしょうか。しかし、この手法3を採用すると、折角発生させた平行線の一部を消去してしまうことが図 2よりお分かりになりますよね。果たして、勝手に消去して良いのでしょうか。消去しない為の方策として、手法4が考えられますが、これはこれで、平行線本体だけでなく垂線を利用しています。果たして、垂線を利用しても良いのでしょうか。それやこれやで、どうも各手法には一長一短があり悩んでしまいます。


図 4 外側接続の場合の平行線のつなぎ方の多様性

 

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