平行線発生アルゴリズムの悩み
 
6.更に悩みの種は続く・・・
さて、実は今までの議論は、平行線とは何かを考える上での、ほんの序の口です。今まで扱って来たのは、ほとんど全てが基準線分列の外側(凸側)に発生させる平行線の線分列でした。しかし、実は基準線分列の内側(凹側)に発生させる線分列の方がはるかにややこしいのです。以下では、内側接続の場合について考えてみます。

まずは例の如く、簡単なケースからです。図 5を御覧下さい。この場合、正解は手法1でしょうね。まさか手法2の様に無駄なループを作りませんよね。手法1は手法2の無駄なループを消去することにより実現されるとも言えます。

では次に、例の如く、平行移動の幅を可変にした場合には何が起こるでしょうか。図 6を御覧下さい。この場合、手法としては2つ考えられますね。貴方はどちら派でしょうか。

まず、手法2を選んだ貴方、貴方に質問します。貴方は手法2を選んだのですね。分かります。その御気持ち。だって、図 7の様な場合は誰もが手法2を選ぶでしょうね。と言うことは、垂線をどうしても利用せざるを得ないケースがあると言うことですよね。どうせ垂線を利用しなければいけないのであれば、図 6だって手法2を選ぶのは当然ですよね。分かります。分かります。ただ、それならば一つ伺います。図 8を御覧下さい。図 8に対して、「手法2:垂線利用接続」を適用すると図に示す通り、極めて不自然な楔形の隙間が発生してしまうのですが、それでも宜しいのでしょうか。これは特に、片方の線分の平行移動量を限りなく0に近付けた時に起き易くなる事象です。

次に手法1を選んだ貴方、貴方に質問します。貴方は手法1を選んだ。と言うことは、図 9においても、「手法1:延長交点接続」を選びますよね。そうでしょう、そうでしょう。そうでないと不合理ですものね。それでは、図 10の場合でも当然、「手法1:延長交点接続」を選びますよね。そうですよね。だって、図 10って、位相的には図 9と一緒ですものね。・・・うん?でもちょっと待って下さいよ。図 10で「手法1:延長交点接続」を選んでしまうと、接続した平行線の間に挟まれている短い平行線が完全に消えてしまいますね。折角意味のある平行線を勝手に消して良いのでしょうか。なんか腑に落ちない感じがしますよね。


図 5 内側接続の場合の通常の平行線のつなぎ方

 


図 6 内側接続の場合の平行線のつなぎ方の多様性

 


図 7 基準線分列が直線にのっている場合の平行線のつなぎ方

 


図 8 垂線利用接続の問題


図 9 延長交点接続の問題その1
 

図 10 延長交点接続の問題その2
一方、特に、内側接続固有の全く別の問題が図 11に示されています。この図では、ループを華々しく消去する羽目に陥ります。元の基準線の外側に飛び出した部分さえ、消去することになります。折角作成した平行線を勝手に消去して良いのでしょうか。図 11の右下の「単純接続した平行線」は解として許されないのでしょうか。許されないとしたらその理由は何でしょうか。

図 11 内側接続の場合のループの消去

 

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