本節では、eREX最適ルート検索エンジンの機能的な特徴を説明する。
eREX最適ルート検索エンジンでは、速度ランクと呼ばれる道路の分類ランク毎に走行速度を設定することが可能です。細かな走行速度の設定によって、より現実に近いルート探索結果を得ることが可能です。 道路の分類ランクの定義は第1ステップのコンバーターが決めています。
eREX最適ルート検索エンジンでは、道路の種類毎に走行可不可情報を設定することが可能です。この機能により例えば、有料道路は使わない等の設定が可能です。 道路の種類の定義は第1ステップのコンバーターが決めています。例えば、昭文社MRDデータの場合は、現時点で、以下の項目を標準としております。
eREX最適ルート検索エンジンでは、最適ルートの探索中に、ルート毎に仮想コストと呼ばれるコストを計算しつつ、このコストが最小になるルートを残すようにしています。 この仮想コストを利用すると、例えば、以下の様な異なる価値観のルートを求めることが可能です。
eREX最適ルート検索エンジンでは、一方通行を考慮したり、無視したりすることが可能です。下図の例では、一般車両は一方通行を考慮するため、ぐるっと1周するようなルートが求められます。 一方、緊急車両や人は一方通行を無視するため、一方通行を逆走するようなルートが求められます。
eREX最適ルート検索エンジンでは、例えばAM7:00からAM9:00まで通行止めと言った規制等走行条件を考慮した探索を行うことが可能です。 この場合、通行止めの道路をAM6:59までは進入することが出来ますが、AM7:00からAM9:00の直前までの間は進入することが出来なくなるため、その道路を迂回するルートを探索します。
<規制等走行条件の種類>
長距離探索の場合、探索処理の高速化のため、
インデックスデータ
を予め作成しておくという手法が考えられます。
しかし、規制等走行条件
は事前に分からないのに対して、インデックスデータは事前に作成されるものです。
そして、インデックスデータには元の道路の情報が簡略化されて記述されているため、規制等走行条件を反映させることが出来ません。
無理に反映させようとすると、インデックスの効率が落ちると言うディレンマに陥ることがあります。
eREX最適ルート検索エンジンは、インデックスデータ
を必要とするような長距離探索の場合でも、規制等走行条件
を考慮したルート探索を行うことが可能です。つまり、規制等走行条件を考慮したルートを高速に探索することが可能です。
最適ルート探索におけるインデックスデータとは、全ての道路から幹線道路のみを抽出したデータのことを言います。 このインデックスデータをルート探索に用いることで、細かな道路の探索を行う必要がなくなるため、高速にルート探索を行うことが可能です。しかし、インデックスデータには予め準備したデータであることから、刻一刻と変わる規制等走行条件に対応することが出来ないと言う短所があります。
規制等走行条件とは、個々の道路に設定できる通行止めや強制設定速度の情報です。 通行止め:設定した道路を通行止めにします 強制走行速度:設定した道路を強制的に設定速度で走行させます この規制等走行条件により、現在の道路交通法としての規制(通行止めや速度規制)に基づくシミュレーションや将来の走行速度改正(走行速度が早くなる)を想定したシミュレーションなどを実現することが可能となります。
eREX最適ルート検索エンジンでは、巡回セールスマン問題(TSP)機能によって順路を最適化することが可能です。 巡回セールスマン問題とは、複数の目的地を効率的に巡回するルートを求める問題です。
eREX最適ルート検索エンジンでは、ある地点(Sマーク)から、指定された時間(又は距離)内に到達出来るリンクを抽出することが可能です。
eREX最適ルート検索エンジンでは、到達域解析機能のリンク抽出結果を元にして、到達域を構成するポリゴンを作成することが可能です。
eREX最適ルート検索エンジンでは、曖昧なリンク上制御点を用いることによって、 余計な迂回をせず、対称性を保った最適ルートを求めることが可能です。
eREX最適ルート検索エンジンでは、出発地や目的地に隣接している(リンク上制御点 がのっている)道路リンクにおいて、その走行する方向に対して制約を与えることが可能です。 この制約機能により、分散配置されたゴミ収集ステーションのゴミを収集する際に、 常にステーションを左側に臨むような最適ルートを求めることが可能になります。
eREX最適ルート検索エンジンでは、1つの出発地(START)から、複数の目的地(GOAL)への最適ルートを高速に一括探索することが可能です。