2つの異なる道路ネットワークの間の対応関係を自動抽出し、データとして提供するサービスです。
異なる道路ネットワークとしては、以下の2通りが考えられます。
この両者を比較した場合、当然後者の方の技術的難易度が高いのですが、基本となる対応付けの技術自体は、両者は共通であると捉えております。
元々、このサービスを考えたきっかけは、道路ネットワークに付属する属性の移行の必要性からです。
異なる道路ネットワーク間の対応付けが出来れば、属性の移行は容易に出来ると考えております。
基本的に以下の3つの条件を考慮しつつ、対応するリンクを求めます。お互いの条件が矛盾する場合は、適宜、優先順位を仮定して、判断します。
本サービスの実用化のための技術的課題の中のいくつかについて、課題とその解決法について整理すると以下の通りです。
図5の様なケースでは、位置形状的な一致だけで、正しい対応を求めることは出来ません。よって、位置形状に加えて、リンクの属性(具体的には道路種別、路線番号)を正しい対応付けの判断材料として利用しています。
対応元と対応先との間で、リンクの属性(具体的には道路種別、路線番号)が異なる危険性が存在します。この食い違いの理由としては、以下が考えられます。
この様なケースでも、正確な対応付けが行なわれる様に、属性の一致は必ずしも対応付けの必要条件としては捉えていません。
図7に示す通り、道路ネットワークは、ニ条化されたり、されなかったり色々なモデル化の技法が存在します。システムの開発に当たっては、このようなモデル化の技法の違いがあっても、それを超えて対応付けられる様に方式設計しています。
図7に示す通り、リンクの間の対応付けは、リンクをどうつなげて走行するか、グループ化するかと云う観点に応じて変わります。これは大変煩雑な問題です。リンクのつながり方が決まらないとリンク間の対応付けが正確には決まらないことを意味するからです。この問題に対して、本サービスではリンクフローと云うリンク間の繋がり関係を導入し、このリンクフローを前提として、リンク間の対応関係を求めています。こうすることで、リンクフローに応じて柔軟にリンク対応を定義することが可能になります。
対応付けは、基本的に全ての処理が自動的に行なわれます。
対応付けの結果は、複雑で詳細なデータとして整理される為、必要に応じて、この得られた基本成果を加工、カスタマイズすることが可能です。
前述した如く、リンクの間の対応付けは、リンクをどうつなげて走行するか、グループ化するかと云う観点に応じて変わります。ゆえに、一つのリンクに対しても、その端のノードにおけるフローに応じて、 求められるリンク対応が異なります。例えば、図8は、両端のノードでのリンクフローを極限まで考慮しないといけない可能性を示唆しています。一方では、リンク対応を算出する際に、 いちいち、この様に多様なケースを考えなければいけないとすると、それは煩雑になります。この様に考えた結果、本サービスでは入力として2通りのリンクフロー(対応元側)に備えることにしました。
予め、システム側で標準と考えられるリンクフローを自動生成して、本システムへの入力とする。多くの場合はこの標準リンクフローだけで、要件を満たせると考えられる。
ユーザーがシステム任せにせず、自己のアプリケーションの都合に合った、リンクフローを指定する。例えば、右左折禁止交通規制を、対応するリンク列に移行したい場合、当該右左折禁止交通規制を構成するリンク列をリンクフローとして、本システムに与えれば良い。このユーザーリンクフローは厳密には以下の2種類に分れる。
対応付けの成果本体と一緒に、対応付けの信頼性を示すデータとして、弊社独自の指標を提供します。
図9に示す様な詳細かつ多様な対応付けデータが、基礎データとして出力されます。本技術に基づいた対応関係データの提供法には色々あると考えているため、この基礎データは必要に応じて、色々な成果にカスタマイズして、御客様に提供する所存です。
実際に対応付けを行なったいくつかの事例を以下に示します。いずれも住友電工社製DRMとADFデータを利用して、両者の間の対応関係を求めた事例です。
実際に対応付けを行なったいくつかの事例を以下に示します。いずれも異なる時期の住友電工社製DRMを利用して、両者の間の対応関係を求めた事例です。