デジタル道路地図処理,ITS

 

1. なぜ本コンテンツを作成したか

近年の弊社では、デジタル道路地図処理、或いはITS関係の業務支援の依頼を受けることが増加しています。 自分では全く狙っていた訳ではないのに、デジタル道路地図と言うキーワードで弊社のWebサイトが検索エンジンに引っかかるそうで、 「デジタル道路地図処理に関して全くの素人なので、手助けして欲しい。」と弊社に駆け込んでいらっしゃるお客様が、最近増えて来ました。

最初に弊社のWebサイトを作った時は、「兎に角、けれんみなく、具体的に分りやすく自社の実態をお伝えすれば良いや。」位しか考えていなかったのですが、 最近の諸々の情勢を総合して考えるに、今後はデジタル道路地図処理、ITSをより一層前面に押し出して、業務にまい進することが、 社会のニーズに応える最良の方法であると考える様になりました。

と同時に、「このことを皆さんに知って頂かなければ」と思い、Webサイトの更新を精力的に再開した次第です。

 

2. なぜデジタル道路地図処理、ITSなのか

自社の業務の中心をデジタル道路地図処理、ITSに据えている理由は以下の通りです。

  1. - 自社の得意分野 -
    これまで、弊社は、色々な側面の地理情報処理に取り組んで来ました。 業務の内容は実は時代時代で変わって来ましたが、デジタル道路地図処理、ITSとはほとんど常に関わり続けていた様な気がします。 その意味では、弊社の業務における中枢、得意分野に位置付けられます。

  2. - 豊富な資産 -
    これまでの長いデジタル道路地図処理、ITSへの取り組みの結果、 弊社には人材(に蓄積されたノウハウ、技術)、ソフトウエアなど豊富な成果が残されています。 ノウハウ、技術については「どんな業務に取り組んで来たのか」を、ソフトウエア資産については、 「どんな資産があるのか」を参考にして頂ければ幸いです。

  3. - 社会のニーズ -
    これまでに弊社のWebサイト、口コミ、御客様の紹介などを通じて知り合ったお客様と の付き合いや社会情勢への観察を通じて、質が高く、と同時にコストが合理的なデジタル道路地図処理、 ITSサービスに対する社会のニーズは高いと判断しました。 御陰様で、弊社のような小さな規模の企業でも十分に皆様のお役に立てると言う確信を持てる様になりました。

 

3. どんな業務に取り組んで来たのか

デジタル道路地図処理、ITSについて言葉で「ノウハウや技術の説明を」と勢い込んでも、実はこれが難しい。 通り一遍等の当たり前のことを書いても面白くないし、伝わらない。 下手にマニアックな処理アルゴリズムを書いても理解して頂けない危険性がある。 色々考えた結果、過去において弊社が従事した業務の例を提示すれば、「へー、こんなことやってるんだ・・・」と弊社の奥の深さを感じて頂けるのではないか、と考えました。 表 1を御覧頂ければ、弊社が、高度で多様でニッチで特殊な経験、ノウハウ、技術を身につけていることを御理解頂けると思います。

 
表 1 これまでの業務の例
項番 分類 内容
1

コンサルテーション系

●デジタル道路地図の品質向上支援
とあるデジタル道路地図の属性の中の1つの項目の品質が良くなかったので、 効率よく修正するための手法を提案し、その為に必要なツールも開発した。 このツールには道路ネットワークのトポロジー(位相構造)を利用した高度なエラー判断ロジックを実装した。

2

●道路の曲率半径の推定手法の開発
道路の曲率半径を、道路リンクの座標から精度良く推定する手法を開発し、 現実の道路にそれを適用し、その精度を確認した。ちょっとした座標のゆれが思わぬ曲率半径に繋がり、結果として予測精度の低下を招き、精度の向上に頭を悩ませた。

3

●DRM21標準ユーザーズガイドの作成
(財)日本デジタル道路地図協会が推進するDRM21について、 その基本哲学、概念からAPIの利用法の説明に至るまでをカバーするユーザーズガイドを作成した。

4

●位置参照方式検討業務支援
次世代デジタル道路地図の一つの目玉としての位置参照について、方式の検討を事務局として支援した。

5

システム開発系

●デジタル道路地図の対話型編集プログラムの開発
デジタル道路地図のネットワーク形状や属性を対話型で編集するプログラムを開発した。 トポロジーを保存しつつ、その他のルールを守りながら品質の高いデータを作れるように作業者を誘導する点に苦労した。

6

●MapServerを用いたデジタル道路地図上の主題コンテンツの編集システムの開発
道路ネットワークに対して 定義される道路に関する主題属性を形状も含めて編集出来るWebシステムを開発した。 WebGISエンジンとしてはオープンソースのMapServerを利用した。

7

その他のデータ処理系

●道路の整備効果の地図表示
ある道路が高規格化されたら、或いはある道路が新設されたら、 どの程度交通上の利便性やアクセスビリティが向上するかを明確に見せられる主題図を、 主に最適ルート探索エンジンeREXの到達域解析の機能を用いて、作成した。

8

●プローブデータの解析
車両に搭載したGPSの座標と道路ネットワークをマップマッチングさせることで、 GPSデータの品質及びマップマッチングの品質を評価し、またリンク走行速度を算出した。

9

●デジタル道路地図データのCSVファイルへの変換
GoogleMapsAPIと(財)日本デジタル道路地図協会の 道路ネットワークデータを組み合わせてシステム開発する業務を受託されたもののデータ処理は未経験であったお客様に対して、 読み込みが容易なCSV形式に変換したデータを納品した。

 

4. どんな資産があるのか

弊社の最大の資産は言うまでもなく人材ですが、人材についてこと細かにここで品評する訳にも行かないため、ソフトウエア資産に限って列挙すると以下の通りです。

  1. デジタル道路地図処理基盤プラットフォーム

  2. 最適ルート探索エンジンeREX

 

5. どんなサービスが提供可能なのか

デジタル道路地図処理、ITS分野において、弊社が提供可能なサービスは表 5-1の通りに分類出来ます。 表 5-1に示す通り、多様な形態のサービスを用意することで、御客様のあらゆるニーズに応えることが可能になっていると自負しております。

 
表 5-1 弊社が提供可能なサービス
項番 分類 内容
1

コンサルテーション

ケースバイケースで色々な内容が考えられ、一言では説明出来ないのですが、カテゴリ、テーマとしては、以下が考えられます。

  1. どの様なシステムを開発すべきか(要件定義支援、設計支援)
  2. どの様なデータ処理を行なうべきか(解析、処理方式支援)
  3. どの様なデータをどの様に作成するべきか(データ入力支援)
2

システム開発

いわゆる、システム、アプリケーションの開発が出来ます。特にトポロジー(位相構造)のセンスが要求される開発、 難易度が高い開発、専門的な知識が要求される開発、珍しいシステムの開発になればなるほど、弊社の技術陣は燃え、弊社の利用価値は上昇すると思います。

3

データの形式変換

デジタル道路地図処理基盤プラットフォーム の利用により、Shape形式、CSV形式、MicrosoftAccess-MDB形式、 データベースファイル(対象はOracle、SQLServer)などへの変換を承ります。料金体系は変換する2次メッシュの個数に応じて変わります。 出力仕様、データ形式のカスタマイズにも対応可能です。本サービスの詳細については、 データ変換サービスを御参照下さい。

4

デジタル道路ネットワークデータの作成、編集

トポロジー(位相構造)を意識した、デジタル道路ネットワークデータの作成、編集を承ります。 編集ツールとしては、既存の弊社の専用編集ツール、新規にカスタマイズした専用編集ツール又は汎用GISを状況に応じて使い分けます。

5

その他のデータ解析、処理業務

ケースバイケースで色々な内容が考えられ、一言では説明出来ないのですが、過去の例としては、以下があります。

  1. 道路の効用の数値化、可視化(地図出力)
  2. マップマッチング(プローブ)
  3. 道路交通量の可視化(地図出力)
  4. 到達域の可視化(地図出力)
6

最適ルート探索エンジンeREXのカスタマイズ、販売

最適ルート探索エンジンeREXは弊社の主力パッケージとなっています。

 

6. 弊社の目指している方向

これからも弊社は、デジタル道路地図処理、ITSの方面で、ユニークなサービス、システム、コンテンツを提供し、 皆様に問うて行く所存です。現に今も、新しいタイプのインターネットサービスを運営中です。 今後の弊社の活動に御注目頂ければ幸いです。

 

7. 弊社へのお問い合わせをお考えの方へ

弊社に御問い合わせ下さる方は、しばしば「自分は、デジタル道路地図或いはデジタル道路地図処理についてよく知らないんだけど・・・」と言う謙遜された言葉から会話を開始なさいます。 丁度、特にGISの黎明期に、GIS=高度な解析用ツールと言う誤解にとらわれて、「自分が欲しい機能はGISとは呼べない簡易な機能なんだけど・・・」と おずおずと自身の要件を話されるお客様が目立ったことを思い出します。

これに対して、私は大抵、以下の2つの事項を申し上げています。

  1. そもそも、弊社のお客様の半数以上は、デジタル道路地図についてほとんど御存知ない。 ソモソモ、こんな特殊な世界の話しについて御存知の方は逆に珍しい。 まず皆さん、どんなデータがあって、それはいくら位で、どこから購入すれば良いか、と言うことからしてご存じない。 従ってコンサルテーションは多くの場合、データの入手経路の相談から始まる。

  2. 何も御存知ない方でもしっかりと情報をお伝えして、お客様がおやりになりたいことへの道筋をつけるのがプロのコンサルタントであり、 弊社の役目である。逆に、お客様が物知りだと、弊社の活躍の場がなくなる。

以下は、上記のことを伝えんが為に、実際に私が御客様に送信したメールの抜粋(但し、一部伏せ字化)です。

> 当初は全く想定・期待していなかったのですが、どうもデジタル道路地図と言う
> キーワードで弊社は引っ掛かり易いらしく、御社のようにインターネット情報
> だけで弊社に電話を下さる会社殿がぽちぽち出ていて、光栄に感じております。
> 大体、皆さん、デジタル道路地図について御存知ないからこそ、弊社を頼って
> 下さる訳で、そう言う意味で、××様にデジタル道路地図に関する知見が
> なくても弊社にとって、それは通常のことです。その様な場合でもキチンと御客様に
> 分りやすく説明して業務を進めることをモットーとしております。ご安心下さい。

上記より、決して気おくれすることなく、弊社へ御問い合せ頂ければ幸いです。

 
 

デジタル道路地図処理基盤プラットフォームへつづく。

 

 

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